よくある不具合について
当店でよくお伺いする不具合について、原因の一部と対処内容をご紹介いたします。依頼の際のご参考になれば幸いです。
また、こちらにご紹介している内容以外にもさまざまなことが原因となって不具合が起きている場合がございますので、安易に分解せず、当店もしくはほかの専門店に依頼することを基本的にはおすすめしております。
ゴリ感がある、回転が重い
スピニングリール、ベイトリールどちらの場合でも一番多いお問い合わせ内容です。
1.ベアリングの塩がみ、磨耗、錆
2.ギアの摩耗
3.ワンウェイクラッチやシャフトの曲がり・錆び
以上の三点がが原因として考えられます。
ほとんどの場合がベアリング不良のため、ベアリング交換とオーバーホールで修復可能です。
ベアリング交換を行っても直らない場合は、他の部品にも不具合が起きている可能性があります。
弊社では、オーバーホールの作業時、不具合のあるベアリングは一旦交換して組み込みます。 回転テストで他の部品の不具合を検証し、問題なければかかる費用を計算してご連絡、不具合が他にもある場合は、部品代のプランを出し、お客様へご連絡確認後に製造メーカーへ部品発注・交換を行なっております。
使用過程でこのような症状が出てきた場合は、上記のように何らかの部品不具合があることがほとんどですが、
新品購入時から奥の方でゴロゴロした感じがある、シャフトがザラザラ擦れているような感じがある場合もございます。このような場合のほとんどが、製造上許容範囲のノイズであったり、特定の釣りのジャンルに限ってフィーリングにシビアになってしまう為、リールの機械ノイズが気になってしまうということが非常に多いです。
飛距離が出なくなった
ベイトリールで多いお問い合わせ内容です。
・同じセッティングだったのに、この頃ルアーが飛ばなくなった。
・キャストの時、異音が目立つようになった。
スプールの軸受けベアリング不良が原因でこのような症状が起こります。また、長い間使っていなかったリールを久しぶりに使ったら、スプールフリーが全く出ないといったこともよくお伺いします。 このような症状でしたら、オーバーホールの時に、不具合のある箇所のベアリングを交換、調整すれば元どおりの飛距離に戻り、キャストの異音もなくなります。
分解したら戻せなくなった
基本的には、分解を伴うメンテナンスはプロにお任せするのを強く推奨いたします。
特に古い機種、メーカーの部品供給が終了している機種に関しては、部品破損や紛失をされた場合、弊社に持ってきていただいてもフォローできかねることがございます。弊社では予算の希望がございましたら考慮してプランを組みますので、ご自分で分解される前に一度ご相談いただければ幸いです。
ベアリングの数を増やしたい
小型スピニングリールには、生産クオリティ、販売予算の関係で、下位機種ではベアリングの代わりにプラスチックのカラーを使用し、コストを抑えている機種があります。そのような機種のベアリングの数を増やし、機能を向上させることが可能です。 オーバーホールとは別途作業となります。
現在色々なカスタムメーカーさんがベアリングキット、チューニングキットを販売されておられます。本来、チューニングキットはユーザーさんご自身で取り付けいただけるように工夫されていますが、うまくいかなかったり、自信がないお客様のために、弊社ではチューニングキットの取り付け作業も承っております。
スピニングハンドルの異音
スピニングリールを使っていて、カチャカチャと音がする場合。
メインギアのスラスト方向の遊びが原因です。(いわゆる「クリアランス」というものです)
この遊びは必要なものですが、クリアランス調整で詰めたり開けたりすることができます。 クリアランス調整が必要なのは、ベアリングやギアが入っている部品、つまりボディやベアリングといった部品に部品公差という差が生じるためです。
弊社では、オーバーホール時、ベアリング交換を行い、ギヤのクリアランスが良くない時は、必ずクリアランス調整を行なっております。
リールのクリアランスが正常・異常であるかの判断は下記を参考にしてください。
これは正常?異常?
・新品購入時から音がする
正常範囲です。詰めると回転が重くなったり、ゴロゴロ感が出てきます。
・中古品を購入したら音がする
異常がある場合と正常な場合と両方考えられます。特に前オーナーが分解をしたり部品交換をした場合は、クリアランスがうまく調整されていない場合があります。
・使っているうちに音が大きくなってきた
ギアの表面磨耗やグリス切れなどで音が大きくなることはあります。
ご依頼いただく場合は、リールのクリアランスが正常かどうかの検査を含めて作業を行います。